日産クリエイティブサービス NISSAN CREATIVE SERVICES RECRUIT SITE

  • Top
  • Project story
  • N-Market Place立ち上げプロジェクト

Project 01 N-Market Place
立ち上げプロジェクト

全国98社のビジネスを支える
ECサイト型大規模システムを構築せよ。

プロローグ

2023年10月、日産グループは全国のディーラー向け調達システム(マーケットプレイス※)を全面リニューアルしました。旧システムは大手ベンダーが開発を行い、日産自動車の運用のもと約20年にわたって利用され、ユーザー数98社、年間の取引規模は約55億円を数えます。商品数は10万点以上。文房具や事務商品、OA消耗品、一般工具など、業務に欠かせないさまざまなモノを割安で入手できます。そんな大規模システムを現代的に再構築したのが、今回リリースをした新システム「N-Market Place」。その開発や運用体制の構築を主導したのが、日産クリエイティブサービス(NICS)でした。日産グループ全体のビジネス推進に大きく関わるプロジェクトにいかに挑んだのか。その軌跡をご紹介します。

※日産グループと提携するパートナー企業の商品を購入できるECサイトのこと。

  • 村田 賢治

    Kenji Murata プロジェクトマネジャー ビジネス情報事業部 営業企画部
  • 森井 智彦

    Tomohiko Morii 営業担当 販売・旅行事業部 販売サービス部
  • 田村 洋

    Hiroshi Tamura システム保守/運用担当 販売・旅行事業部 販売サービス部

CProject Story of Nissan’s automobile Project Story of Nissan’s automobile

目指したのは、低コストかつ、
いまの時代に合わせたシステム。

2021年秋、日産自動車は従来の調達システムの全面改修を決定。さまざまなプランが検討される中、日産グループに対して幅広くシステムを開発・運用している当社にも企画提案の機会が訪れました。プロジェクトマネジメントを任された企画チームの村田賢治は、「これはチャンスだ」と力が入ったと言います。

村田「私はこれまで事業戦略や新規ビジネスの企画、オリジナル商品の販売戦略の立案などを手がけてきました。そのような経験をする中で、いつかはお客さまに積極的に使ってもらえるシステムやプラットフォームをつくりたい、NICSとお客さまとの新たな接点を生み出したいと、常々考えていたのです」。

村田は早速、プロジェクトチームを発足させ、情報収集やベンチマーキングそしてプランニングに着手。チームで何度も膝を突き合わせ、アイデアを出し合いました。そして、当社のWEB購買システムをベースに、新システムを構築するプランにたどり着きます。

村田「このWEB購買システムは、国内5,000社以上の利用実績を有するパッケージ型の購買管理システムをもとに構築したもの。このパッケージを用いれば初期の開発コストが抑えられる上に、旧システムで各ユーザー企業がベンダーへ支払っていた毎月の運用保守費もゼロにできます。また、旧システムでは仕様上できなかった商品画像の掲載や、いままで参加していなかったサプライヤーのパンチアウト連携※など、調達品の拡大もできるため、利便性が間違いなく向上すると考えました」。

さらに、“単に調達業務を効率化するだけでなく、インボイス制度や電子帳票保存法などの法律にも対応させること”、“日産自動車やディーラーをはじめとする複数の関係者を巻き込み、最適な調達スキームを構築すること、また、そのためのDX化も推進すること”など、+αの付加価値を日産自動車へ提案。その結果2022年9月、ついにNICSの企画にゴーサインが出るのです。

※外部のショッピングサイトに接続し、選択した商品をNICSの社内承認で購入できる仕組みのこと。

ユーザー15万人への普及・浸透。
その過程でつくり上げた、新たな営業手法。

村田たち企画チームはまず「クレームゼロ」という方針を立てました。マーケットプレイスにおけるトラブルは、全国のディーラーをはじめ、関わるすべての人たちに必ず影響を与えてしまうからです。

企画チームは徹底的にリスク分析を行い、リリースに向けた行動計画を策定。そして、プロジェクトに森井智彦を中心とする営業チームを迎え、最も難しいミッションを彼らに託します。それはディーラー全国98社、約2,500店舗、従業員約15万人への「N-Market Place」の普及・浸透でした。「どんなにいいシステムでも、ディーラーの現場、つまり店舗の方々が使えなければ意味がありませんから」と森井は語ります。

このミッションを達成するため、営業チームはディーラーとの関係構築からスタートしました。営業チームが一丸となり、全国98社のすべてを訪問。実際にシステムに触れてもらい吸い上げた意見を企画チームへフィードバックし、開発における課題の早期発見へとつなげていきました。

その一方、システムのリリースが迫るプロジェクト後半には、足で稼ぐ従来の営業手法に限界が見え始めます。“コロナ禍”ということもあり頻繁な訪問が憚られるうえ、2,500店舗という膨大な数に対して、メンバーのリソースに限りがあるためです。そこで営業チームは、Teamsを用いたリモート説明会を取り入れることに。また、営業メンバーのアイデアにより、ユーザーがいつでもシステムの使い方を学習できる動画マニュアルも作成しました。

チームワークやアイデアを活かしながら、新たな営業手法も確立し営業活動に努めた結果、「全ユーザー100%移管」を達成。さらに、ノークレーム、ノートラブルにてシステムを立ち上げることに成功しました。

森井「訪問を始めた当初は、システム変更と聞いてアレルギー反応を起こすお客さまも少なくありませんでした。しかし、熱意を込めて説明を尽くした結果、『これはいいシステムだ』と安心感を持っていただけたのは非常にうれしかったですね」。

急増するオーダーに備え、
受発注業務プロセスを1から設計。

「N-Market Place」の構築や営業活動が終盤を迎えるころ、社内ではもうひとつの準備が進んでいました。

当社は日産グループに商品を提供するサプライヤーとしての業務も担い、旧調達システムでオーダーを受けて商品配送手配を行っていました。「N-Market Place」に変わることで、当社の発注から商品配送手配までの一連の業務プロセスを、新システムに対応した受発注業務のプロセスに変革させることが不可欠となったのです。ここでのキーパーソンは、業務効率化経験が豊富な田村洋。田村はプロジェクトチームの情熱と努力に刺激を受ける一方、内心は「不安でいっぱいでした」と振り返ります。

田村「『N-Market Place』では我々が日産グループに供給するトナーカートリッジや安全靴、社内で使用する消耗品などを扱います。そのどれもが絶対に供給を止めてはいけないモノばかりですから、これは責任重大だなと」。

新たな商品の増加によって、受注件数はこれまでの約7倍になることが想定されました。こうした状況に対応するべく、田村率いるバックオフィスチームは経理部門や情報システム部門などとミーティングを重ね、新たな請求フローや会計処理システムとの連携プロセスを設計。並行して、商品掲載や受注処理の業務オペレーションも検討していきました。こうして「N-Market Place」運用開始日にはバックオフィス業務のIT化が図れ、サプライヤー業務を円滑に行うことができました。

田村「私はチームをマネジメントする立場でもありますので、若手メンバーたちが安心して動けるような “正しい仕事の仕組みをつくる”ことが最重要ミッションです。商品画像の掲載といった小さな作業も含めて、受発注に関わるすべての業務をチームで何度も試運転して最適なプロセスを詰めていきました」。

お客さまと真摯に向き合うように、社内の仲間に対しても責任を持って行動するのがNICSの文化。一人ひとりが職責を全うした結果、ついに「N-Market Place」は正式リリースの時を迎えます。

次の目標は、10年20年と続く
システムへの育成。

2023年10月、「N-Market Place」は稼働を始めました。リリース数カ月ですでに旧システムのユーザーであるディーラー全社の利用が確認できており、営業チームのもとにはユーザーから「いまの時代に合ったシステムになったね」とうれしい感想も届いています。

このような中で、森井たち営業チームは3度目の全国行脚をスタート。次期バージョンアップに向けてユーザーからの改善要望を収集しながら、旧システムを利用していなかったディーラーの新規開拓も進めています。森井は「個人的な手ごたえは95%以上。今後はより多くのユーザーにご利用いただき、お客さまとのつながりを増やしていきたいです」と力を込めます。

一方、懸念されていた受注件数の急増に関しても田村は、「若手メンバーたちがトラブルを未然に防ぎながら、しっかりと受発注業務を運用してくれています。彼らの方がいまやプロですね」と目を細めます。また、企画チームを率いた村田は今後の展望として、「現場の声に耳を傾け、お客さまが求めるサービスを形にし続け、10年20年とご愛用いただけるシステムにしたい。そして、日産グループの発展に継続的に貢献していきたいです」と語ってくれました。

携わったメンバーそれぞれが主体となり、さまざまな試行錯誤を重ねて実現した今回のプロジェクト。この経験が、NICSはもちろん、社員一人ひとりのレベルアップへとつながったことは間違いありません。村田は、最後にこう締めくくりました。「今回の私たちの取り組みや苦労がノウハウとなり、若手社員や今後入社する人たちの新たなチャレンジを後押しする力になれば最高です」。

  • Top
  • Project story
  • N-Market Place立ち上げプロジェクト