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Project 02 生産設備 移設工事
プロジェクト

ミッションは、日産の工場の
進化と変化を後押しすること。

プロローグ

日産自動車の国内工場を舞台に、ある時は生産ラインのメンテナンスや改修を支援し、またある時は照明や配管などインフラの修繕を手がけ、さらには外壁の塗装や側溝の清掃、台車の工作まで取り組む。日産クリエイティブサービス(NICS)の設備・環境技術事業部は、日産グループのクルマづくりの現場で起こる大小さまざまな困りごとを解決するプロフェッショナルです。彼らが担当する業務の中でも、特に「生産設備の移設工事」は一大プロジェクトと言えます。今回は、日産自動車が目指す“モノづくりに最適な環境”を実現する難しさややりがいについて、栃木支店に所属する野澤貴と齋藤康吉に話を聞きました。

  • 野澤 貴

    Takashi Nozawa 課長 設備・環境技術事業部 栃木支店 栃木設備・環境技術課
  • 齋藤 康吉

    Koukichi Saitou 設備・環境技術事業部 栃木支店 栃木設備・環境技術課

Project Story of NICS. Project Story of NICS.

大規模工場のアップデートを、
工事の面から支援する。

東京ドーム約62個分にも及ぶ広大な敷地面積を誇る日産自動車栃木工場。アリア、スカイライン、GT-R、フェアレディZなど多彩なクルマが生産されており、部品の製造、溶接、塗装、組立、品質検査といった生産工程ごとに専用の建屋が設けられています。

ただし、工場が“完成”することはありません。生産効率や製造品質の改善、安全性の向上、CO2の排出量削減などさまざまな理由から、「定期的に生産設備のレイアウト変更や移設工事が企画・実施されています」と、栃木設備・環境技術課で課長を務める野澤貴は言います。

野澤「一定のスパンで行われるマイナーチェンジやフルモデルチェンジでは、生産ラインの大幅変更や設備更新が計画されます。時には、重さ5トンにもなる『シャシーダイナモ』といった大型設備を移設するなど、半年がかりの工事となることも。私たちの役目はこうした大規模なプロジェクトから安全柵の新設といった2~3日で完了する小さな工事まで、あらゆる案件を無事故で完遂することです」。

現在、栃木設備・環境技術課では野澤を含めた約60名の社員が活躍中。社員一人ひとりが各建屋を担当し、お客さまである日産自動車との打ち合わせから現場の確認、見積り、サプライヤーの選定、施工計画の企画・提案、工事開始後の納期・予算・安全管理、検収まで一貫して対応しています。

野澤「実際の工事を行うのはサプライヤーの方々ですが、工事の責任者である我々も工法や工場のルール、安全管理などさまざまな知識とノウハウが求められます。ですから新人が入ってくる場合は、まず保全業務などで経験と知識を磨いたうえで移設工事に携わってもらいます。それも最初はベテランの先輩と2名体制で取り組むので心配はいりません」。

コミュニケーションを大切にすることが
成功と成長につながる。

生産設備の移設工事は、野澤たち設備・環境技術課のメンバーだけでは実施できません。「重量屋」と呼ばれる産業機械の運搬・設置を担うサプライヤーをはじめ、電気、配管など各分野の専門サプライヤーと協業することではじめて高品質な工事が可能になります。大規模な工事では関係者が100名を超えるため、社内外での調整・交渉・管理も重要に。部署のメンバーや各プロジェクトを統括管理する野澤も、「いかに適切なサプライヤーを選定するか、お客さまやサプライヤーと密にコミュニケーションをとれるかが工事品質を決めるキーになる」と言います。

野澤「“移設工事”とは、ただ単に設備を移動させて設置するだけではダメなんです。その設備の“精度”をしっかりと再現することが重要となります。わずかなズレが品質に大きな影響を与え、命取りになってしまいますから。

特に、先ほどお話しした『シャシーダイナモ』のような大型設備は、そのままの大きさでは運ぶことができません。そこで、一度解体をして再度組み立てる必要があるのですが、これも精度にズレをきたすリスクをはらんでいます。最悪、設備の故障につながってしまうケースも。工事自体は大掛かりですが、そこにはとても繊細で高度な技術が求められるのです。

だからこそ、それぞれの設備や工程に精通した私たちが、最適なサプライヤーを選定する必要があるわけです。工場の間取り、設備のサイズ、輸送方法といったさまざまな情報を頭に入れ、多くの関係者と密に連携を取りながら工事を進めていく。ここが、この仕事の難しさであり、やりがいでもあります」。

フェアレディZの設備移設で直面した
“生きた工場”の難しさ。

2年前に栃木設備・環境技術課に異動をしてきた齋藤康吉も、移設工事を担うひとりです。齋藤に、特に印象に残っているプロジェクトを訪ねると、「フェアレディZの生産設備の移設工事」と答えました。異動から半年後に先輩とともに取り組んだこのプロジェクトで、齋藤は移設工事の難しさを実感したと言います。

齋藤「私は先輩のサポート役だったのですが、複数のサプライヤーの工事日程を調整するだけでもかなり骨が折れました。工事を行う区画以外では工場が普段通り稼働しているため、生産に影響を与えないように進行する必要があります」。

ゼロから新設するのではなく、生産を続けている“生きた工場”の中での工事だからこそ、事前の現場確認や段取りが重要であると、齋藤は身を持って学びました。また、施工図面で確認していた配管が実際には通っておらず、緊急での対応が必要になったことも。そのときは、長年やりとりのあるサプライヤーの方が「大丈夫、こっちでやっておくよ」と手を差し伸べてくれたことで納期通りに対応できましたが、「関係者全員がスムーズに作業を進められる環境を整えるために、自分にできることは何か」を考えるきっかけとなり、成長意欲が高まったと言います。その言葉通り、ひとり立ちを果たした現在もスキルアップに余念はありません。そんな齋藤にとって、NICSの風通しのいい社風は成長を後押しするポイントになっているようです。

齋藤「壁にぶつかったときに野澤さんや先輩方に相談をすると、『それなら追浜工場で似たような事例があったな』と参考情報をいただくこともしばしば。実績のある工場に調査へ行くことも推奨されているので、スケジュールを調整して現場で実践的なノウハウを吸収し、工事提案に活かすことも多いです」。

全国の拠点で行われている工事はすべて、仲間たちの“活きた参考書”に。こうした環境もあって、経験を重ねるほど幅広い知見が習得できる点も、齋藤のやりがいになっているとのことでした。

日産の工場が進化する限り、
NICSの社員も進歩し続ける。

課長を務める野澤と、現場の最前線に臨む齋藤。経験も知識も異なる二人ですが、自分が担当した工場が無事に稼働してお客さまに感謝の言葉をいただく喜びや、街中で自分が関わった日産車を見かけたときの誇らしさは「設備・環境技術課なら全員が感じているはず」と口を揃えます。そうした喜びや誇りのために、二人はさらなる邁進をしています。

野澤「私たちは、移設工事の経験が豊富にあります。さまざまなノウハウを持っているのがNICSの強みですね。たとえば塗装工場なら、車体の表面に油っ気があると塗装がうまく乗らないので注意が必要になるといったことや、組立工場では、ちょっとしたホコリが精度のズレやキズになるので、いかにチリやホコリを出さずに工事をするかといったことなどです。今後は『ロボットティーチング』など、新たな技術もNICSとして習得していければと思っています」。

齋藤「私は、NICSの強みは提案力にあると自負しています。以前、ある工場での配管工事で、日本で主流となっている“鉄”の配管ではなく、地震や錆に強く工期も短縮可能な“樹脂配管”の使用を提案しました。結果的にコストも抑えることができ、お客さまに新たな価値を提供できました。今後も積極的に情報を収集し、既成概念にとらわれない提案をしていきたいですね」。

彼らの成長の道のりに、終わりはありません。設備・環境技術課の面々はこれからも日産自動車のクルマづくりに寄り添い、困りごとを解決するプロフェッショナルとして日産自動車とともに走り続けていきます。

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